NEDO(国立研究開発法人)の日射量データを使って、
全国837地点から選んだ地域の太陽光発電・蓄電池の費用対効果を試算できます。
太陽光発電には、国や自治体から補助金が出ています。それにはちゃんとした理由があるのですが、「家計にメリットがあるの?」というところは、意外とよく分からないままだったりします。このシミュレーターは、その疑問に答えられたらと思って作りました。
エネルギー安全保障・防災・脱炭素——どれも社会全体としては重要な理由です。しかし住民一人ひとりが導入を検討するとき知りたいのは、「うちの屋根で・この蓄電池を付けて・何年で元が取れるのか」という具体的な数字です。ここが曖昧なままだと、補助金があっても導入は進みません。
このシミュレーターは、NEDOの日射量データと実測による精度検証(下記「計算精度」参照)に基づき、全国837地点のどこでも、ご自宅の条件でその答えを試算できるようにしたものです。煽ることも過小に見せることもなく、メリットとデメリットの両方を、根拠となる出典とともに正直に示すことを目指しています。
まずはお住まいの地域と基本的な条件を選ぶだけで試算できます。細かい条件は「詳細設定」で調整できます。
導入後にかかる費用です。これらを含めると「本当の損得」がより正確になります。
基本条件で「時間帯別(オール電化プランなど)」を選んだときに使われます。初期値は北陸電力くつろぎナイト12
机上の計算だけでなく、かほく市の実在の太陽光発電システム(6.8kW)の3年分(2024〜2026年・28か月)の実測発電量と照合しました。同じ条件でシミュレーターが計算した値に、その期間の実際の天候(金沢地方気象台の日照時間)を反映して比べた結果です。
青い棒=実在システムの実測発電量(月平均)、緑の線=シミュレーション(実際の天候を反映)。ほぼ重なっており、年間・季節変動ともによく一致します。
※この検証はかほく市の1件の実システムに基づく参考値です。他地域では設置条件・気候が異なるため、精度は変わります。またシミュレーターの初期値は「平年並みの年」を控えめに見積もる設定で、上記の実測3年間は平年より約11%日照が多い期間でした(その分は補正して比較しています)。実測データ=ソーラーモニター記録・北陸電力の売電振込記録、天候=気象庁。
日射量データ:NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)METPV-11 年間時別日射量データベース(平均年)。全国837地点・1990〜2009年の観測に基づく代表年データです。
地点名・都道府県:気象庁 地域気象観測所一覧に基づきます。
電気料金の初期値:大手電力10社の従量電灯・第3段階(300kWh超)の単価(2025年10月改定、新電力比較NPCプラン調べ)を都道府県から自動設定します。時間帯別プランの初期値は北陸電力「くつろぎナイト12」です。実際のご契約単価に合わせて変更してください。
売電単価の初期値:2026年度FIT制度・住宅用(10kW未満)の「最初の4年間24円/5年目以降8.3円」(資源エネルギー庁 なっとく!再生可能エネルギー)。年度・認定時期により変わるため最新の単価をご確認ください。
ローン金利の初期値:住宅ローン変動金利の目安1.5%(2026年7月時点、モゲチェック 住宅ローン金利動向)。金利は変動するため、実際に借入する金融機関の最新金利をご確認のうえ変更してください。
補助金(石川県のみ自動設定):かほく市=太陽光4万円/kW(上限16万円)・蓄電池は設置費の1/2(上限10万円)(かほく市)。石川県=太陽光7万円/kW(上限35万円)・蓄電池上限15万円。石川県の補助はFIT非取得・自家消費30%以上が条件のため「自家消費型」を選んだ時のみ加算します(石川県)。金額・要件・併用可否は年度で変わるため、必ず各窓口でご確認ください。
撤去・廃棄費用の目安:住宅用で15〜30万円(エコ発)。CO₂排出係数:0.435kg-CO₂/kWh(全国平均の目安)を使用しています。
電気料金値上がり率の初期値:2010〜2024年の家庭用電気料金単価の推移(19.05円→28.58円/kWh)から算出した年平均約3%(新電力ネット調べ)。この期間は2021〜2022年の燃料価格高騰による急騰も含みます。将来の電気料金は不確実なため、詳細設定で変更してご自身の見立てで試算してください。
・時間帯別の日射量から、パネル温度による損失(月別0.8〜0.9)、パワコン変換効率、その他損失を掛けて発電量を計算しています。
・斜面日射量は水平面直達・散乱日射量から等方性モデルで計算しています(NEDO公表の斜面データとの差は年間2%程度)。屋根置き(べた付け)を想定し、地面反射の影響は含めていません(影響があっても年間0.5%未満の小さな効果です)。
・実測との照合と補正:かほく市の実際の太陽光発電システム(6.8kW)の発電実績(2024〜2026年の28か月分)とNEDO理論値を比較したところ、実測が理論の約1.33倍で、季節パターンはよく一致していました。この差を、金沢地方気象台の日照時間(気象庁)で年ごとに検証して分解しました:①2024〜25年は平年より約+11%晴れていた(年ごとの一時的な要因のため将来予測には含めません)、②損失係数の保守性を見直し約+13%(その他損失を95%に、夏の温度補正を近代パネルの実力に緩和)、③NEDO代表年の日射量が実際の平年よりやや低い分 約+6%。将来予測として②③の恒久的な要因(合計 約×1.20)のみを初期値に反映し、平年並みの年の発電量を控えめに見積もっています(各補正は詳細設定で変更・無効化できます)。
・蓄電池は「昼の余剰電力を充電し、夕方以降の不足分に使う」動作を1日単位で計算しています。
・パネル・パワコンの経年劣化、パワコン交換費用(15年ごと)、ローン金利、点検・撤去・蓄電池交換などの費用を含めた収支です。
・電気料金の値上がり:初期値は年3%(過去14年の実績平均)で複利計算し、電気代削減効果(自家消費分)に反映しています。売電単価はFIT契約で固定されるため値上がりの影響を受けません。詳細設定で0〜10%の間で変更できます。
・積雪:積雪深1cm以上の日は発電ゼロとして、発電量・収支の両方に反映しています(北陸・雪国では冬の発電が減ります)。沿岸部の塩害、北陸特有の冬季雷は故障リスク要因ですが金額には含みません。
・燃料費調整額・再エネ賦課金・基本料金は計算に含みません。蓄電池の経年劣化は発電の配分には反映しますが、交換費用は詳細設定で入力した場合のみ計上します。
・本シミュレーションは目安です。実際の発電量・収支は設置条件や気象により変動します。導入の際は必ず販売店の見積もりと保証条件をご確認ください。